韓国政府がアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明した翌日の3月27日、首都ソウル市内で外貨両替所のポスターの前を通り過ぎる男性。韓国は経済的利益を優先し、米国の圧力を振り切る形でAIIB参加に踏み切った=2015年3月27日、韓国(AP)【拡大】
【国際情勢分析】
中国主導の国際金融機関アジアインフラ投資銀行(AIIB)には、韓国をはじめ約50カ国・地域が参加することになった。米国が韓国に参加しないよう圧力をかける中で、韓国は同盟国である米国との関係よりも経済的利益を優先した形だ。AIIB参加については、多くの韓国紙(電子版)が歓迎の立場を示している。
遅れた感はあるが…
ソウル新聞の社説(3月28日)は「遅れた感はあるが、韓国がAIIBに参加を決めたのは避けられない選択として評価できる」と肯定的に捉え、「中国の過度の経済覇権を牽制(けんせい)するためにも、ヨーロッパの国々と一緒に一翼を担いバランスを取っていく必要がある」と注文を付けた。
中央日報の社説(3月27日)は、「遅くなったが、政府が参加を決めたのは評価に値する」としながらも、「われわれがもう少し早く参加の意思を明らかにしていれば、AIIBの出資比率や高位職の配分などで有利な位置を占めることができたという点は残念だ」とした。