が、ここで大きな問題になるのは、これは捨てるけれどこれは捨てないという選別である。これはもう何もなくともハッキリと思い出せるほどに濃厚な作品であるから、ハイ捨てましょう、なんていう単純では片付かない。濃厚ゆえに愛着も深くなって手放せない気持ちが生じるこの矛盾。別にこの芝居が嫌いだったわけじゃないんだと言い訳しながら、ゴミ袋にほうり込む背信の心持ちはどうすればよいのだ。
袋詰めまで追い詰めたモノモノ
明るい時間から始めたはずが、いつのまにか夕暮れてしまった。夜の衣替えは危険を孕む。昼間であれば見限れるはずのものが、夜にはどうしてもまた手放せなくなってしまうことがあるからだ。単純に夜の闇が寂しさを募らせるからなのか、夜露に湿らされてセンチになるのかわからない。
いずれにしても、私の場合は掃除や整理は明るいうちにやってしまわないと立ち行かない。とりあえず捨ててしまえと思うものはゴミ袋ならぬ紙袋にきれいに畳んで詰めて、キングコング巨大タコ水着美女のアロハも一緒に詰めて、とっぷり暮れてしまうその前に、ひょいとそこらに置いて、明日また考えればいいや。そう言ってそそくさと衣類棚から退散してしまった。