玉村豊男(とよお)さんの画才は実父の画家、方久斗(ほくと)さん譲り。描いた絵をあしらった食器と、ラベルを使ったハーフサイズのワイン。「ヴィラデスト_ガーデンファーム_アンド_ワイナリー」の売店で=2015年3月25日、長野県東御市(藤沢志穂子撮影)【拡大】
【大人の時間】
「ワインを作ってみたい」。がむしゃらに働いてきた人生にふと立ち止まり、自分が本当にやりたいことは何かを考える、40歳前後の大人が増えたと、エッセイストで長野県東御市(とうみし)でワイナリーを経営する玉村豊男(とよお)さん(69)は言う。そんな「心の定年」を迎えた大人がワイン作りを学べる拠点「アルカンヴィーニュ」を24日にオープンさせる。新しいワイナリーにアカデミーや資料館としての機能を備えた。醸造施設の見学や試飲なども計画。新たな観光拠点にもしたい考えだ。
栽培から醸造までの過程紹介
「アルカンヴィーニュ」は玉村さんが経営するカフェ併設のワイナリー「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」に程近い山麓にある。北陸新幹線も停車するJR上田駅から車で約30分。近くにはブドウ畑が広がり、その先には市街地と高い空が見える。まるでフランスの田舎に来たような錯覚を覚える。名前はフランス語で「ワインブドウがつなぐ人のアーチ」という意味が込められている。