まず、両チェーン店の知名度だが、学生たちの間で鳥貴族は「トリキ」の略称で呼ばれ、親しまれている。一方、鳥二郎は、焼き鳥通の会社員たちの間で、鳥貴族より一品あたり10円安いことで知られる。ところが、両者が「姉妹店」だと誤解している者もかなりいる。
こうした現状を考えると、鳥二郎は、鳥貴族の知名度と商法の「TTP(徹底的なパクリ)」と一般的にはいえるかもしれない。一方で、新しい技術を獲得しようとする後発の国や企業が模倣やコピーで参入する「リバース・エンジニアリング」(安価な類似物の製造販売)を行うことは、世界中で起きている。
先日、中国の上海とアモイを講演で訪れた際、高級スーパーには輸入した日本産食品が多くあったが、庶民向けのコンビニなどには、日本産に似せたものがたくさんあった。
ホテル近くでは、映画DVDや音楽CDのコピーが1枚数百円で売られていた。日本でもかつてこうしたコピー商品がたくさん売られていた。専門筋に聞くと、中国でのコピー商品の販売網は全国規模で、外国企業がその会社を買収するなどで、中国国内の正式な自社製品の販売に利用している例もあるという。