見捨てられている
シンドパルチョーク地区は人口約30万人。約2000人が死亡し、約3000人が行方不明になった。ディルさんの村の家屋約30戸は全て倒壊。4歳の孫も頭にけがをしたが、けがの程度がひどいバハドゥル君だけを連れてきた。「誰も助けに来てくれない。見捨てられている」とディルさんは不満をぶちまけた。
テント内では看護師のミナ・マガルさん(19)が一人で奔走。医師不足に悩まされてきた山村地域のバラビセの病院では、震災前から医師がいない。負傷した被災者約500人が殺到。「息つく間がなく家に帰れない。家族にも会えていない」と涙声になった。
そばの家屋跡からは強烈な異臭。救助隊ががれきをかき分け、埋もれた人を捜していた。