警官らはワゴン車を改造した護送車の中で、頭を運転席側にしてうつぶせの姿勢にさせていた。乱暴な運転で致命傷を負わせた可能性が指摘されているが、モスビー検事は、運転手の警官が意図的に荒い運転をしたかどうかは示さなかった。検察は「合法なナイフで、逮捕は誤り」と断じた。
護送車は警察署に向かう途中、別の容疑者を乗せる機会もあり何度か停車。その度に警官はグレイさんの様子を確認したのに適切な医療措置を怠った。約45分後、警察署に到着した際、グレイさんは呼吸をしていなかった。
内部報告受け即行動
モスビー検事は、4月30日に警察から内部報告書を受け取り、直ちに動いた。全米規模の警察批判のきっかけになった昨年8月のミズーリ州ファーガソンの黒人青年射殺事件では、警官は訴追されず、大陪審の不起訴決定も事件から3カ月以上後だったのに比べ対照的だ。
1日の会見では「ボルティモアと全米の『正義なければ平和なし』との抗議の声を耳にしてきました」と語り、市民寄りの姿勢を明確にした。