大地震発生から9日で2週間となるネパールで、主要産業の観光が危機に直面している。首都カトマンズで歴史的建造物が倒壊し、世界最高峰エベレストでは多くの犠牲者を出した。トレッキングで世界的に人気の高いポカラなど被災を免れた地域でも、「危険」とのイメージからキャンセルが相次ぎ、“風評被害”が広がっている。
予約9割キャンセル、細る空路
「地震被害はなく安全なのに、向こう3カ月の宿泊やレジャーの予約の9割がキャンセルになった。これでは地震の“二次災害”に巻き込まれたのと同じだ」
カトマンズの西約200キロのポカラで、ホテル協会のパラジュリ会長は深いため息をついた。ポカラはヒマラヤの高峰を望むことができ、トレッキングなどの拠点となっているネパール第2の都市だ。
カトマンズと約30分で結ばれる航空路線は、震災前の1日50便近くから10便程度に激減し、それでも空席が目立つ。宿泊客がいなくなり、従業員を故郷に帰したホテルもあるという。