外為法違反容疑で逮捕され自宅を出る朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の次男、許政道(ジョンド)容疑者(右から2人目)=2015年5月12日午前、東京都足立区(宮川浩和撮影)【拡大】
逆に日本側はもう1枚のカードを握っている。朝鮮総連中央本部の家宅捜索だ。許議長の自宅は家宅捜索が行われたが、中央本部にはいまだに手をつけていない。日本と国交のない北朝鮮にとって、中央本部は「事実上の大使館」の意味を持つ重要拠点。捜査当局の手が入ることは、北朝鮮にとって計り知れない衝撃となる。
警察当局は「北朝鮮が『捜査』を拉致問題との関連性でとらえて反発していることは承知している」とし、「今後も北朝鮮側の反応を注視していく」という。安倍政権が最重要課題とする拉致問題を絡めて北朝鮮が反発していることは、朝鮮総連への捜査を“圧力”と感じていることを示している。厳粛な法執行は拉致問題を動かす一つの鍵となる可能性がある。(加藤達也、森本昌彦/SANKEI EXPRESS)