今回の火山性地震は4月26日から増加傾向となり、5月1日に2回へ減少後、5日に117回を観測。再び減った後、10日には観測データがある01年以降で最多となる266回に達するなど、増減を繰り返している。
こうした中で、吉田教授が注目しているのが、山体の膨張を示すデータという。気象庁でも継続して観測しているほか、国土地理院の分析でも蒸気噴出が続く大涌谷周辺で約6~8センチの隆起が判明。吉田氏は「膨張が止まれば火山活動が終息したと考えていい」と指摘する。
吉田氏は「火山性地震の増減は過去にも見られる現象。1、2日では火山活動について即断できない」とし、長期的な視点で警戒を続けることが重要とした。
≪気象庁「噴火速報」8月から運用開始≫
気象庁は12日、火山の噴火直後に登山者らへ情報を伝えるため新たに設ける「噴火速報」について、8月上旬から運用を開始する方針を明らかにした。噴火から数分以内に発表するとし、伝達手段は自治体の防災無線やラジオなどを候補に検討を進めている。