「舞台の上で弾くと、聴衆との強いコンタクトを感じます。聴衆と感動を分かち合うという気持ちが、最初からありました。カワイは自分の感情に合う楽器です。自分の理想の音に近づけるためは、演奏を模索してさまざまな手法を追求し研究しますが、それにはカワイがいいのです。とても優れた楽器だったら、楽に理想の音が出せてしまい、練習になりません」
幅広い曲を手がけること
最新CD(ナイーブ、V5364)は、シューマンの「子供の情景」や「アベッグ変奏曲」などを収録している。これまで、リストのピアノ作品集やショパン、バッハ、ショスタコービッチなどナイーブ・レーベルから8枚をリリース、幅広い曲をレコーディングしている。
「意識的にレパートリーを広げるようにしています。特定の作曲家の専門家になりたくないのです。コンチェルトのレパートリーは数えたことはありませんが、60から70曲でしょうか。確かにフランスもの、ラベルやフォーレ、ドビュッシーを弾くと、その繊細さなどを身近に感じます。しかし、私の音楽はそれだけではないのです」