金正恩氏は12年4月に第1書記に就任。7月に最側近だった李英鎬・朝鮮人民軍総参謀長が解任され、13年12月には張氏が派閥形成や不正・腐敗を理由に処刑された。現体制はその後も張氏に近い人脈を次々に粛清し、造反の芽を摘んできた。
韓国の情報機関、国家情報院は、金第1書記の体制下での幹部の処刑者数は12年3人、13年三十数人、14年31人、今年も現段階で既に8人で、計約70人に上るとの見方を示す。「見せしめ」的な処刑も多いという。
14年10月には韓国ドラマを試聴したなどとして地方幹部ら十数人が処刑されたほか、今年は山林緑化事業に不満を漏らした林業省幹部、建物の設計に異議を唱えた高官が処刑されたとされる。
今回の玄永哲人民武力部長の粛清理由の一つとされる「居眠り」についても、国情院は「金正恩氏が敏感に反応するようだ」と指摘。これまでにも複数の軍関係者が居眠りで降格されたとみている。
北朝鮮は金氏一家を唯一絶対の指導者とする「唯一指導体系」の確立により体制安定を図ってきた。指導者の指示に背くことは重罪と見なされ、重く処罰することで周囲の忠誠心を引き出す手法を取っているとされる。