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起死回生とはならなかった国共党首会談 (1/4ページ)

2015.5.15 08:00

会談前に握手する台湾の与党、中国国民党の朱立倫主席(左)と中国共産党の習近平総書記=2015年5月4日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)

会談前に握手する台湾の与党、中国国民党の朱立倫主席(左)と中国共産党の習近平総書記=2015年5月4日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】

 【国際情勢分析】

 台湾の与党、中国国民党の朱立倫主席(53)が4日、北京で中国共産党の習近平総書記(国家主席、61)と会談し、国共両党の良好な関係をアピールした。朱氏は中国側に耳障りな話題を避けて友好の演出に腐心し、中国側も表向きは厚遇で応じた。だが、内容は台湾側の期待値を上回るものはなかった。6年ぶりとなった国共党首会談は、昨年春の学生運動以降、冷え込んでいた中台関係を仕切り直す一定の効果はあったものの、国民党から見れば来年の総統選への「起死回生の一手」とまではならなかったようだ。

 「92年合意」深化せず

 昨年11月末の統一地方選で惨敗した国民党にとり、今回の国共党首会談はもろ刃の剣だった。惨敗の原因が、学生運動でも示された馬英九政権の親中姿勢への反発である以上、過度の対中傾斜は避けたい。

 一方で、野党、民主進歩党を牽制(けんせい)するためには、共産党との関係の深さをアピールし、国民党こそが中台関係の安定を実現できる政党だと示す必要がある。難しいバランスが求められる会談であり選択肢は多くなかった。総統選での劣勢を覆す「最後のカード」ともされた今回の会談だが、結果論からすると、朱主席は低姿勢のあまり、後者に偏った印象を与えてしまった。

朱主席の論理矛盾

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