ウクライナ東部ドネツク州のマレーシア機墜落現場で残骸などを調べる調査官。手前には「立ち入り禁止」の看板が立つ。今秋の最終報告書発表を前に真相をめぐる議論が活発化している=2015年4月16日(ロイター)【拡大】
紙面には墜落現場から入手した多くの残骸写真が添付され、コックピット部分にある無数の「弾丸」の穴がブク説を裏付ける。綿密な分析により、ミサイルが旅客機の左斜め前方で爆発したことを示すイラストや、どこから発射されたのかを推察する地図まで掲載されている。
さまざまな謀略が入り乱れる事件の真相に近づくこの暴露記事はセンセーショナルなものとなり、世界のメディアに次々と引用、転電された。
政権側軍事筋作成で注目
しかし、「ブク撃墜説」は目新しいものではない。そもそも事件発生から2時間を待たずして、ウクライナのポロシェンコ政権が訴えていた。北大西洋条約機構(NATO)や米国も独自の情報源を基に、ロシア側が高度1万メートルを飛行する物体を撃ち落とすことができる高性能ミサイルをウクライナ東部の親露派武装勢力に供与し、彼らが撃墜した-などと主張している。
なぜ、ノーバヤ・ガゼータの記事が注目されたのか。それは、官製メディアが大半のロシア国内では数少ないプーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)でありながら、紙面に記された報告書は政権側の息がかかった中枢の軍事筋が作成したとみられるからだ。