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【国際政治経済学入門】中国 手詰まりの「党指令型経済」 (3/4ページ)

2015.5.20 10:30

中国の外貨準備残高(兆ドル)と元・ドル相場=2013年1月~2015年4月。※上方向が元高、下方向が元安。※データ:中国人民銀行、CEIC

中国の外貨準備残高(兆ドル)と元・ドル相場=2013年1月~2015年4月。※上方向が元高、下方向が元安。※データ:中国人民銀行、CEIC【拡大】

  • 中国の中央銀行である「中国人民銀行」。2015年5月11日に政策金利を引き下げた=2013年3月13日、中国・首都北京市(AP)

 利下げは通常、資金流出を加速させる要因である。金利の低い元預金を取り崩して、香港経由で外貨資産に切り替えるというのが、中国の特権層や富裕層の常である。それを食い止めるためには、元を切り上げし続ける必要がある。金利は下がっても、為替レートが強ければ、元建て預金は外貨預金に比べて目減りしないという期待が生まれるからだ。

 実力とかけ離れた株価

 もちろん、「強い元」だけでは資金流出は止まらない。不動産相場が下落基調にある中では、やはりカネが逃げる。不動産がダメなら、株がある。党主導で上海株式市場に資金を誘導し、株価をつり上げる。株価引き上げの手段が利下げである。

 事実、株価は3月初めの利下げ以降、上昇気流に乗った。3200元台だった上海株価総合指数は4月下旬には4500元台を付けた。そのあと、5月初旬に急落したが、11日の利下げを受けて反転した。党中央の株価引き上げの意図を読み取った官僚が勤め先の役所をやめ、株式投資に専念するケースも続出しているという。官僚は習近平国家主席による綱紀粛正のために口利き料など役得収入がなくなってしまい、役所務めに見切りを付けている。

市場制度改革を優先せよ

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