今回は、3月にバヌアツを直撃した巨大サイクロンによる被害について、首都があるエファテ島以外にも目を向け、その後の様子をバヌアツ在住の友人たちに伝えてもらいます。
ペンテコスト島 30代女性
バンジージャンプの起源とされる伝統儀式「ナンゴール」で有名なペンテコスト島。毎年4~6月は多くの観光客が見物に訪れます。サイクロンの発生後、徐々に明らかになる被害状況の中で、ナンゴールの話題がなかなか出てきませんでした。「タワーを組むための木々やツルがないのでは、今年はナンゴールの開催が無理かもしれない」「この時期に1年分の収入を得る島民にとって大きな打撃になるかもしれない」-そんな声が聞こえだした3月の終わり、なんと「予定通り開催する」と連絡が入りました。
幸いなことにナンゴールの行われる南西部は被害が少なく、4月11日にランスッスという村のナンゴールがスタートしました。今年初のナンゴールで、高さ15メートルにもなる最上部から勇敢にも飛び降りたのは、この村のケネディという青年でした。「すばらしい勇気だね。あなたの姿は今のこのバヌアツにパワーを与えてくれたと思う」と話しかけると、彼は少し照れくさそうに笑っていました。