タンナ島 大数加裕信さん
4月23日、快晴。サイクロンのダメージが一番ひどかったといわれるタンナ島へ行ってきました。台風の目が島の北から南へ文字通り直撃したタンナ島の被害は甚大でした。個人の家屋はほぼすべて倒壊。コンクリートでできた教会や小学校まで崩れ落ちているありさまです。そんな中、びくともしなかった建物がありました。それはなんとドーム形をしたタンナ島の伝統的な家! なぜ、昔ながらの木造、茅葺の家がこれほど巨大なサイクロンにも耐えられたのでしょうか? 京都大防災研究所で耐風構造の研究をされている西嶋一欽准教授の説明は以下の通りです。
1、柱に使われている木材が非常に太い。現在の日本の2階建ての家でもこれくらい立派な木材を使っている家は珍しい。
2、屋根がドーム形になっている。そのため風の力が上空から地面にかけて働くため破壊されにくい。
3、屋根が地面に設置されていて、軒下がない。軒下があると、そこから風が上に向かって吹き上げ、屋根をふきとばす原因となる。
4、くぎではなくロープを使って接合しているため、揺さぶりにも強い。