高く噴煙を上げる口永良部(くちのえらぶ)島=2015年5月29日午前10時20分ごろ、鹿児島県熊毛郡屋久島町永田から撮影(読者提供)【拡大】
予兆あったが…「基準」壁に
今回の噴火はまったくの突然ではなかった。昨年8月の34年ぶりの噴火でレベル3に引き上げた後、今年3月には高温の溶岩や火山ガスなどが噴煙や雲に映り明るく見える「火映」を観測。4月に入ってからは二酸化硫黄の放出量が1日当たり900~2600トンに上ったほか、火山性地震も1カ月で50回以上を記録した。今月23日朝には、ごく浅い震源で震度3の地震が発生した。このため、気象庁は4日前の25日に「爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火に移行する可能性がある」との火山解説情報を発表したが、警戒レベル4(避難準備)への引き上げは見送った。
引き上げの基準が「24時間以内に複数回の有感地震」などとなっており、23日は1回だけだったためだ。レベル5へと一気に引き上げたのは噴火から約8分後。あらかじめ住民らを島外に避難させるなどの万全の対応はとれなかった。
気象庁の北川貞之火山課長は「地震活動などが高いところで安定しており、直前に警戒レベルを上げるきっかけとなるデータの変動がなかった」と述べ、レベルの引き上げが後手に回らざるを得ない“予知の限界”を吐露した。(SANKEI EXPRESS)