島中心部の新岳が噴火し、火砕流が海岸まで流れ込んだ口永良部(くちのえらぶ)島。手前は島民を避難させるために本村港に入港する「フェリー太陽」=2015年5月29日午後、鹿児島県(本社チャーターヘリから、鈴木健児撮影)【拡大】
介護ヘルパーの女性(36)は、着替えや仕事道具を詰めたかばん4つをフェリーに持ち込んだ。「いつ帰ることができるか知らされていない。避難生活が長引くのであれば精神的負担は大きい」。湯向地区に取り残された住民は、湯向港から上陸し集落を探し回った海上保安官に救助され、午後2時50分ごろに巡視船「さつま」に乗り移った。
救助されたのは60~77歳の男女6人と犬1匹。海上保安庁によると、77歳の男性は当初「犬がいるから島に残りたい」と避難を渋ったが、海上保安官が「犬も連れて行きますから避難しましょう」と説得したという。男性は飼い犬とともに巡視船に移ると、安堵(あんど)の表情を見せた。その後、ヘリで屋久島に移された。
≪黄土色に染まる海面≫
島中心部にある新岳で噴火が起きた口永良部島を29日午後、上空から見た。
鹿児島空港を離陸して40分余り。雲と真っ白な噴煙で隠れていた新岳の山腹が視界に入ってきた。緑の木々は灰色に染まり、所々で山火事がくすぶる。