国際サッカー連盟(FIFA)会長選挙で5選を果たし、記者会見に臨むゼップ・ブラッター会長=2015年5月30日、スイス・チューリヒ(ロイター)【拡大】
【国際情勢分析】
5月27日に14人が起訴された国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件について、メディアの論調は、長年、疑惑の目が向けられてきたFIFAに切り込んだ米当局の捜査をたたえる一方、根深い汚職体質を厳しく批判した。また、組織を17年間にわたって率いてきたゼップ・ブラッター会長(79)の責任を追及した。
「1日1人以上が死亡」
米CNNは27日、スポーツ史に詳しい米ニューロシェル・カレッジの歴史学教授、エイミー・バス氏の見解をニュースサイトに掲載した。バス氏は「私たちはスポーツ選手に子供たちの見本となるよう求めるものだ。スポーツ界に影響を及ぼす立場の人々にも、同じことを求めるべきだ」として、“見本”にふさわしくないFIFAの体質を批判した。
バス氏はまた、2022年のワールドカップ(W杯)開催地に決まった中東カタールをめぐり、関連施設の建設工事でネパールやバングラデシュといった周辺国からの出稼ぎ労働者が、劣悪な労働環境に置かれている実態に触れた。「ある統計では1日に1人以上が死亡している」と言及。W杯が始まるまでに4000人以上の労働者が死亡する計算になるとの国際機関の推計があるという。