5月30日の夜は鎌倉もずいぶん長く揺れた。初めは「あれ、地震?」と思う程度。ところが、いったん収まりかけた後で今度はより強く、そしてゆっくり揺れる。先が読めない。いい気持ちではありません。
小笠原諸島で震度5強。えっ? 地震の強さを示すマグニチュードは8.5(後に8.1に修正)。うわっ、これは津波が…と身構えたものの、逃げるべきか、逃げざるべきか、ここで迷う。とにかく逃げろが鉄則! それは分かっているが、夜も8時を回っていることだし、どうしたものか。
東京や横浜の繁華街と異なり、鎌倉で8時を回れば、もう十分に深夜感覚である。鉄筋コンクリート3階建て集合住宅の最上階から夜の街に飛び出すのか、いや、むしろ3階にとどまる方がいいのか。優柔不断を武器にサラリーマン社会を泳ぎ渡ってきたおじさん層に決断を迫られても…。
決めないという得意技を使う間もなくテレビの地震速報(すでに続報?)で、津波の心配はありませんという情報が流れる。M8.5でも震源が深ければ津波が押し寄せる事態にはならない。おっと、新聞やテレビでもう皆さん、ご存じですね。
もちろん、心配ありませんといわれ、いそいそと夜の海を見に行くような野次(やじ)馬根性は厳に慎まねばならない。