長かった冬が明けて一気に桜が開いたかと思うと、あわただしく散っていった。2月は逃げ、3月は去る。4月は何と言うのだろうか。
花に嵐のたとえの通り、4月第一週の金曜日と土曜日は、鎌倉にも強い風が吹いていた。せっかく開いた花びらがはらはらと散っていく。翌5日の日曜日、鎌倉は霧雨の一日となった。それでも市街地は花を見に訪れる人でにぎわう。段葛(だんかずら)が工事中なのは残念だったが、待ちに待った春の印象が今年はひときわ強い。
海辺はまだ風が肌寒く、由比ガ浜の浜辺から材木座海岸越しに眺める逗子マリーナは、霧のためにかすんでいる。ヤシ並木もかすかにしか見えない。それでも…。
沖に目を転じると、遠浅の砂浜に向かって、海の波が階段状に寄せていた。その波のうねりに誘われて、たくさんのサーファーが繰り出している=写真。