科学技術分野では清掃や警備、道案内などのサービスを提供するロボットの普及を図る。東京五輪を日本の“強み”を世界にアピールする機会ととらえ、人手不足解消に役立つロボット技術の開発や、高齢者やベビーカーの利用者が移動しやすくするため、自動走行技術を生かした次世代交通システムの導入などを盛り込んだ。
国民の健康寿命延伸に、ヘルスケア産業を活用するプランも提示。治療目的で訪日する外国人向けに、がん治療や再生医療を提供する国内医療機関を「日本国際病院(仮称)」として一体的に売り込む。マイナンバー制度活用による産業振興も盛り込んだ。
≪競争促す大学改革 基礎研究活発化≫
骨子が示された成長戦略には、これまで企業が担ってきた技術革新の“芽”となる研究開発や人材育成を、国立大学や新設される高等教育機関へ移行する狙いがある。経済界の要望に応えた側面も大きいが、改革により研究費を失いかねない一部の大学や、少子化の中で学生争奪戦を余儀なくされる短大や専門学校からの反発も予想され、今後本格化する制度設計に向けた議論を円滑に進める工夫が課題となる。