中国の習近平国家主席(右)との会談に向かうミャンマー最大野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏=2015年6月11日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
中国の「別のチャンネル」
かつてミャンマー軍事政権は中国と緊密な関係を構築していたが、2011年の民政移管で発足したテイン・セイン政権により対外関係は大きく変化した。
外交・経済両面で中国依存からの脱却を図り、欧米や日本に接近するなど、両国はぎくしゃくした関係が続いている。
だが、中国にとってミャンマーは現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の重要ルートの一つであり、両国を結ぶ石油・天然ガスのパイプラインも建設。影響力低下を食い止めたい中国は、ミャンマー国民の人気が高いスー・チー氏への働き掛けを強めていた。
スー・チー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)はミャンマーで今年秋に実施される国政選挙で躍進が予想されており、中国側はNLDが次期政権に参画することもにらみ、現政権とは「別のチャンネル」(中国紙)を築く狙いもある。