中国の習近平国家主席(右)との会談に向かうミャンマー最大野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏=2015年6月11日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
ノーベル賞の威光薄れ
スー・チー氏にも12年に下院議員となって以降、対中姿勢に変化がみられる。「隣国とは、良好な関係を築かなければならない」と主張し、民主化問題などでの中国批判を避け、駐ミャンマー中国大使と会談を重ねてきた。
軍政弾圧下で民主主義の理想を訴え続け、1991年にノーベル平和賞を受賞した雄姿も薄れつつある。ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャが周辺国に大量密航し、ロヒンギャ迫害に国際社会から懸念の声が上がっているが、「政府が取り組むべき問題」と口を閉ざす。
中国の人権活動家らは習指導部との会談で、ノーベル平和賞受賞者で、投獄されている民主活動家の劉暁波氏やチベット問題などを提起することを期待。ただ、NLD報道官は、今回の訪中について「あくまで党同士の親善が目的」と強調しており、積極的に取り上げた可能性は低い。(共同/SANKEI EXPRESS)