六回日本ハム1死一、二塁、矢野謙次が左越えに逆転3ランを放つ=2015年6月14日、北海道札幌市豊平区・札幌ドーム(共同)【拡大】
巨人から日本ハムに移籍してまだ3試合目の矢野が一振りで劣勢をはね返した。0-1の六回1死一、二塁。マウンドに上がったばかりの平田の初球を左翼ポール際へ運んだ。「打った瞬間に行った」と確信した2年ぶりのアーチは値千金の逆転3ランとなった。
感謝の気持ちで打席に立った。左腕の砂田から右の平田にスイッチした場面で「今までだったら立てなくて代えられていた。行かせてもらって何とか絶対打とう」と気合を入れた。代打でも豊富な戦力を誇る巨人とは違う。ベンチの全幅の信頼に最高の形で応えた。
今季、古巣では8試合に出場しただけ。トレードには「必要だからしてくれる」と前向きに捉えた。
大谷のファンだという8歳の息子も日本ハムへの移籍に大喜びしていたという。力投する20歳の右腕に白星をプレゼントする本塁打にもなった。
チームは貯金を最多の14に伸ばし、16日の阪神戦に引き分け以上で交流戦の勝率1位が決まる。お立ち台にホームランボールが届いた殊勲の男は「今までは飾ったりしてないが、きょうのは絶対に飾ります」と大事そうに握り締めた。