先代から筆づくりのノウハウを受け継いだ尺田さんは80年に「瑞穂」を設立。毛の種類の選定から、仕入れ先、穂先のボリューム感など、より良いものづくりを実現させる一貫生産を始めました。筆づくりで特にこだわるのは逆毛やすれ毛を取り除く作業。毛先を切りそろえるのではなく、ちょっとした手触りの違和感を指先に感じて毛をはじいていく作業はまさに熟練の技。筆の種類によって形が異なる道具類も全て手づくり。全行程に行き届く細やかな配慮に、極上の肌触りで美しいメイクアップを仕上げる秘密が隠されているのです。現在、「瑞穂」ではさまざまなOEM(相手先ブランドによる生産)を受注していますが、OEMは使い手の要望に合わせた提案と実現が不可欠。そこには高い技術力とともに対話力や発想力も不可欠な要素です。