5月17日、台北市内の国民党本部で、署名簿が入った箱を背に、総統選候補を決める予備選への届け出書類を掲げる洪秀柱氏。洪氏は当初、届け出に必要な署名が集まるかさえ危ぶむ声があった=2015年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
懸念される「中国の影」
ただ、昨年11月末の統一地方選で示された世論の対中警戒心の強さを見る限り、洪氏が今後も広範な支持を得続けられるかどうかは予断を許さない。洪氏は台湾独立に反対するだけでなく、中国との「平和協定」の締結を訴えるなど中台統一志向が強い。中国の主張に近い中国時報が予備選開始後、早々に洪氏支持にかじを切ったことや、世論調査の結果が判明した翌日に、中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)が、洪氏の「勇気」をたたえる社説を掲載するなど、「中国の影」を感じさせる動きはすでに始まっている。そのことに台湾の世論がどれだけ敏感に反応するか。洪氏の今後の支持にも大きく影響するとみられる。(台北支局 田中靖人/SANKEI EXPRESS)
■洪秀柱 1948年4月7日現・新北市生まれ。両親とも外省人(中国大陸出身者)。70年に台湾の中国文化大法学部卒業後、中学教師、米ノースイースト・ミズーリ州立大大学院留学などを経て90年から国民党の立法委員。2012年に女性初の立法院副院長就任。厳しい性格で、対立議員との激しいやり取りは有名。兄1人、妹2人の計4人きょうだいの長女で独身。