ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた「国際経済フォーラム」で演説するウラジーミル・プーチン露大統領=2015年6月19日(ロイター)【拡大】
プーチン氏の旧友であるアレクセイ・クドリン前副首相兼財務相(54)は「ロシアは完全な危機のまっただ中にある」と指摘し、「当初計画に反する決定や行動がなされている」と政権を批判。「大規模な改革が不可欠だ」とも述べ、プーチン氏が2018年3月に予定されている大統領選を繰り上げ、不人気な政策を実行するための「信任」を得ることまで提唱した。
プーチン氏の基調演説は先の2人とは色彩の大きく異なるものだった。プーチン氏は「深刻な危機は起きず、状況を安定化させた」とし、「ロシア経済は困難な時期を着実に通り抜けつつある」との現状認識を説明。ビジネスのニーズを理解できる官僚の育成に力を入れるとは表明したものの、汚職対策にも、経済危機の打開策にもほとんど言及しなかった。
プーチン氏の発言とは裏腹に、危機が深まっていることは最近の統計から明らかだ。
4月の工業生産は前年同月比で4.5%減、投資は4.8%減、実質所得は13.3%減、消費は9.8減だった。昨年の資本流出が1515億ドル(約18兆5800億円)だったのに続き、今年1~3月期の流出額も330億ドル(約4兆円)にのぼった。「消費は回復を始めている」というプーチン氏の言葉に根拠は全くなく、今年の国内総生産(GDP)は少なくとも前年比3%程度のマイナスとなることが確実視されている。