6月25日、欧州連合(EU)首脳会議が開かれた首都ブリュッセルで談笑するギリシャのアレクシス・チプラス首相(左)、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(右)ら=2015年、ベルギー(AP)【拡大】
ギリシャ政府は強硬姿勢で協議に臨んできたが、支援期限の6月末が迫っても協議はまとまらず、22日になってEU側に譲歩した改革案を提出した。
首相が公約とした「緊縮策破棄」を覆し、年金制度の見直しや付加価値税の増税などを含む内容で、与党内からは猛烈な批判が相次いだ。
与党議員の一部は「未熟で計画性のない交渉により、圧力がより強まった」とチプラス首相の戦略を非難。27日のユーロ圏財務相会合で国民に一層の負担を強いる改革案が合意されれば、議会で反対票を投じると警告しており、実際に支援が実行されるか曲折も予想される。
ギリシャの若年層の失業率は50%を超え、年金で家計を支える世帯も多い。EUやIMFが支援の条件とした緊縮策により過去約5年間で年金支給額は平均で25%減少したとされ、国民は「これ以上減らされたら人生が破滅する」「拳銃を突き付けられているようだ」と悲痛な声を上げている。
ただ、年金支出は依然EUの水準を上回っており、国民からは「支給年齢の引き上げなど抜本的な改革は必要」との声も上がる。(共同/SANKEI EXPRESS)