八回、本塁打を放つ阪神・福留(ふくどめ)孝介=2015年6月27日、兵庫県西宮市・甲子園球場(白鳥恵撮影)【拡大】
甲子園が独り舞台と化した。阪神の福留(ふくどめ)孝介が同点、勝ち越しの2本塁打を放つ活躍でチームを今季初の5連勝に導いた。熱狂的なファンから大歓声を浴び「選手として本当にこれ以上ない幸せ」と充実感に浸った。
スイングの強さが目を見張る。2-3の六回、先頭で打席に入ると、井納(いのう)の甘く入ったスライダーを強振。ライナー性の打球は浜風をものともせず、バックスクリーン右に飛び込んだ。日本球界復帰後初の2桁となる10号ソロで試合を振り出しに。ただ、見せ場はこれで終わらなかった。
八回2死無走者。「(本塁打を)狙っていい場面」と初球から神経を研ぎ澄ました。左腕田中の直球を迷いなく振り抜き、1本目とほぼ同じ場所へ2打席連続の一発をたたき込んだ。
交流戦最終戦から起用される3番ではこれで27打数13安打の大暴れ。その間6戦負けがない。和田監督は「3番に入って決めるところは決めるし、つなぎもできる。打線のリズムが良くなった」と“福留効果”を実感する。全4打席で本塁を踏んだ福留が、間違いなく首位チームを引っ張っている。(SANKEI EXPRESS)