6月28日、現金自動預払機(ATM)に紙幣を補充するため、首都アテネの銀行前でダッシュする警備員。デフォルトの可能性が高まったギリシャではこの日、多くの預金者たちが口座の凍結を懸念してATMで現金を引き出し、各地のATMで紙幣が不足する事態となった=2015年(ロイター)【拡大】
ギリシャは7月20日にも、欧州中央銀行(ECB)への35億ユーロ(約4800億円)の債務返済期限が控えており、開き直りともいえるEU側への不服従を鮮明にしたことで、デフォルトの危機が迫っている。デフォルトに陥れば、ユーロ離脱は現実味を帯びる。
ユーロ圏諸国とIMFは過去5年で総額2400億ユーロ(約33兆円)のギリシャ支援を行い、デフォルトを防いできたが、今回ばかりは堪忍袋の緒が切れ、ギリシャをなだめすかしてユーロ圏にとどめようとする熱意も大幅に減退しているからだ。
「影響は限定的」
3年前のギリシャ危機の折は、イタリアやスペインへの債務問題の波及が懸念されたが、この2国では目下、財政再建が進んでいる。また、現在、ギリシャ政府債務の約8割はEUやIMFなどの公的部門が保有しており、民間銀行が連鎖破綻する懸念もない。言葉とは裏腹に、ユーロ圏の指導者たちはギリシャが離脱しても影響は限定的で、広範に及ぶのは避けられると値踏みしている感がある。