「日本の文芸」伝える
――堀本さんは、小学校で俳句を教えるなど、俳句を広めるための活動を精力的に行われています。今回も、「俳句の豊かさ」を又吉さんを通じて読者に知ってもらいたいという熱意を感じました
堀本 日本人って、俳句を知っているようで知らないのですね。極端な人だと、「俳句って五七五七七ですよね」「いや、七七いらんねん!」みたいな(笑)。もうちょっと、自国の独自の文芸を知ってもいいのではないかと。それをどう柔らかく、いろんな角度で伝えられるかを考えています。
季語で生活鮮やかに
――又吉さんは、今回俳句を知ることで何か変化はありましたか
又吉 季語との出合いはでかいですね。季節を捕まえるというか。意識してなかったら、色がつかない、見えないけれど、「あ、これ1回使ったな」とか思うと、目にとまるようになる。
1日生きていて、日記に書くようなもの何もない日あるじゃないですか。若い日に結構あったんですけど。そういうとき、もう少し早く歳時記を読んでいれば、その一個の発見で日記が十分書けてたのかな。日常が、季語を知らないときよりも、面白くなっている。鮮やかになっている。それって日常にダイレクトに影響しますよね。別に俳句使った一発ギャグ作るわけじゃなくて(笑)、自分の中で1回昇華してから、また別の形で出てくるんやろな。