EU側が求める財政再建策に賛成する集会=2015年7月3日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
再建策が賛成多数で可決された場合は、ギリシャへの支援が再開されるとの期待から、株価がITバブル期の高値を上回り約18年半ぶりの水準となった、6月24日のことしの最高値2万0868円を更新する展開も想定される。ユーロへの信認が維持され、円は売られる方向だ。
JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は「欧州中央銀行(ECB)が周辺国に大量の資金供給を行える仕組みが整っており、危機波及は食い止められる」と指摘する。「投票結果が再建策に対しイエスでもノーでも、市場への影響は短期にとどまる」との冷静な見方だ。
サムライ債で損失も
ギリシャが円建てで発行した債券(サムライ債)にも注目が集まる。大和証券の藤岡宏明シニアクレジットアナリストによると、今月14日に償還期限を迎える債券の残高は約116億円ある。
ギリシャが返済できなければ、大手格付け会社からデフォルト(債務不履行)と認定される公算が大きく、購入者は損失を被る懸念がある。(SANKEI EXPRESS)