大勢の報道陣が見守るなか、投票するアレクシス・チプラス首相=2015年7月5日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
今でもどん底の生活
ギリシャでは若年層の失業率は約50%と高止まりし、年金で家計を支える世帯も多い。年金支出の抑制を求めるEU案に貧困層は「銃を突き付けられているようだ」と悲鳴を上げる。首都アテネ市の貧困地区で、年金生活者の多くは「今でもどん底の生活」「これ以上、何も失うものはない」とまくし立て、EUの再建案には断固反対すると口々に訴えた。
「緊縮策破棄」を掲げて1月に政権を握ったチプラス氏は、過去5年間の厳しい緊縮策が「人道危機」をもたらしたと主張。増税や年金改革を柱としたEU側の再建案をはねつけた。
政権発足当初は「双方が強い姿勢で臨んでも、妥協点を探り最終的には合意に達する」(国立アテネ・パンディオス大のコンドヨルギス教授)などと、多くの人が楽観的な見方だったが、チプラス氏は欧州の秩序を攪乱(かくらん)するのが狙いであるかのように、過激な発言をエスカレートさせた。