ギリシャの国民投票で財政再建策への「反対」が多数を占め、勝利宣言を行うアレクシス・チプラス首相の演説をテレビで見る支持者ら=2015年7月5日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
≪強硬姿勢拍車 民意を盾に譲歩迫る≫
ギリシャの国民投票で財政再建策が拒否されたことを受け、EU側はドイツ、フランスを中心に対応に乗り出した。反対派が予想を上回る大差で勝利し、ギリシャが強硬姿勢を強めるのは確実となる中、金融支援をめぐる交渉は一段と難しくなる可能性が高く、EUは戦略の見直しを迫られている。
メルケル独首相とオランド仏大統領は5日夜、電話会談し国民投票の結果について「尊重されるべきだ」との認識で一致した。両首脳は6日もパリで会談。これまでギリシャのチプラス首相と直接協議を行うなどギリシャ問題への対応を主導してきた両首脳は、7日に緊急開催されるユーロ圏首脳会議と財務相会合に先立って意見を調整するとみられる。
「離脱」に現実味
財務相会合のデイセルブルム議長は6日、「ギリシャ側の新たな提案を期待する」と表明。フランスのサパン財政相は「真剣な対話が行われるかはギリシャ次第」とし、EU側は協議に応じるが、まずギリシャ側の姿勢を見極める考えだ。