ギリシャの国民投票で財政再建策への「反対」が多数を占め、勝利宣言を行うアレクシス・チプラス首相の演説をテレビで見る支持者ら=2015年7月5日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
ただ、協議が再開されても、交渉の先行きは予断を許さない。EU側は、国民投票で財政再建策への反対は、ギリシャの「ユーロ圏離脱」を招くとし、ギリシャ国民に再建策への賛成を呼びかけたが、結果は“敗北”。ギリシャ側は民意を盾に強い姿勢で交渉に臨み、債務削減も求めてくるとみられている。
一方、EU内には投票結果を受けた対応をめぐり、温度差もある。「ギリシャには第3次支援を求める権利がある」(スペインのデギンドス経済相)と支援協議に前向きな姿勢を示す声が上がる一方、「ギリシャが構造改革の実行を確約しなければならない」(フィンランドのストゥッブ財務相)と、引き続き厳しい態度の国もみられる。
ただ、交渉が決裂すればギリシャは支援を受けられないまま財政破綻し、ユーロ圏離脱の現実味も一段と増す。離脱となればユーロの信認は大きく揺らぐ。