ギリシャの国民投票で財政再建策への「反対」が多数を占め、勝利宣言を行うアレクシス・チプラス首相の演説をテレビで見る支持者ら=2015年7月5日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
鍵握るECB
ギリシャの命運の鍵を握るのは欧州中央銀行(ECB)だ。ギリシャ国内の銀行は経営破綻の危機にひんしており、営業を停止し、預金引き出し額も1日60ユーロに制限されている。それでも預金流出が続き、手元資金は底をつきつつある。
こうした銀行の資金繰りを支えているのが、ELAと呼ぶECBの緊急支援枠。各国の中央銀行が、国債などを担保にして民間銀行にお金を融資する仕組みで、ECB理事会が認めなければ実施できない。ギリシャ向け緊急支援枠の上限は現在約890億ユーロ(約12兆円)だ。
ギリシャはECBが保有する自国の国債約35億ユーロの償還期限を20日に迎える。だが緊急支援枠の増額がなければ、償還できない可能性がある。英紙フィナンシャル・タイムズは「次の重要日程は20日だ」と伝えた。(ボン 宮下日出男、経済部 藤原章裕/SANKEI EXPRESS)