証券会社の店頭で、反転上昇する株価の動き示す電光掲示板を見つめる投資家=2015年7月9日、中国・首都北京市(ロイター)【拡大】
中国の実体経済は、輸出の低迷などで成長鈍化に歯止めがかからない状況にある。株価下落が上場企業の資金繰りを悪化させたり、個人消費や不動産市況に悪影響を及ぼしたりして、景気失速に拍車がかかり、投資家にとどまらず国民全体の批判が習政権に向かいかねない。
こうした中、共産党中央宣伝部が国内報道機関に「(株価下落が)政治化するのを回避し、(批判の)矛先が共産党や政府に向かうのを防げ」とする通達を出していたことが9日判明した。通達では「投資家が理性的に株式相場の動向を予想できるよう世論を誘導する」「経済政策の成果を宣伝し、中国経済の先行きを前向きに伝える」などの指示が盛り込まれており、世論誘導の意図は明白だ。
北京の金融関係者は「株価が下がれば政府が何とかしてくれるという裏付けのない期待を国民に与えてしまった。将来に大きな禍根を残すだろう」と話した。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)