サッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会の決勝で、後半、果敢に米国のゴール前に飛び込む澤穂希(ほまれ、中央)。最後まで諦めない「なでしこジャパン」の精神力は中国でも称賛された=2015年7月5日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー(共同)【拡大】
【国際情勢分析】
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる問題や歴史認識問題で、いまだに反日感情が渦巻く中国だが、ことサッカーに関しては風向きが違う。中国のインターネット上では、女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で準優勝した「なでしこジャパン」に惜しみない賛辞が贈られているだけでなく、男子のU-18(18歳以下)日本代表の試合後の行動も称賛されている。中国のサッカーファンにとって、日本サッカーは“仇敵(きゅうてき)”であると同時に、“手本”でもあるようだ。
「尊敬すべきものだ」
女子W杯カナダ大会について、中国国内の注目は当然、中国代表に向いていた。大方の予想を覆し、中国代表は予選リーグを突破して決勝トーナメントに進出。準々決勝で優勝した米国に0-1で敗れたものの、中国国内では“大躍進”との評価を得ていた。
当初、なでしこジャパンは、中国国内でも、優勝した前回大会ほどの強さはないとみられていた。しかし、予選リーグから唯一、全勝で決勝まで進むと、見る目が変わった。歴然とした体格差にもかかわらず、欧米の強豪と渡り合う戦術には「世界最高」という言葉が贈られた。