中国東部、浙江省杭州市の小学校で、サッカーの授業を受ける子供たち。中国の地方政府は今、習近平国家主席の「個人的な夢」に応えるべく、サッカー熱を一段とヒートアップさせている=2015年3月18日(AP)【拡大】
【国際情勢分析】
中国政府がこのほど、“国家プロジェクト”として「中国サッカー改革の総合プラン」を公表し、2025年までに全国に5万校の「サッカー学校」を設立する計画を打ち出した。サッカー好きで知られる習近平国家主席(61)が熱望する中国サッカーの強化。最高指導者の「個人的な夢」に応えるべく、地方政府が取った極端な措置に対し、中央政府が「待った」をかける事態となっている。
習近平氏の「夢」に呼応
今年2月、習近平氏が主宰する中国共産党の「全面的な改革深化のための指導グループ」が、国を挙げたサッカーの底上げ策を採択した。その後、公表された「総合プラン」が、習氏の意向を汲(く)んだものであることは一目瞭然だ。
「総合プラン」には、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」の実現を標榜する習氏が、「個人的な夢」と公言している、中国でのワールドカップ(W杯)開催などが目標として盛り込まれた。