サポーターに挨拶するサッカーの中国代表イレブン。習近平指導部の反腐敗キャンペーンはスポーツ界にも及び、特にやり玉に挙げられているのが、低迷が続き、国民も不満を募らせているサッカーだ=2010年2月14日、東京都新宿区・国立競技場(吉沢良太撮影)【拡大】
【国際情勢分析】
中国の習近平指導部は、10月に開いた共産党の重要会議、第18期中央委員会第4回総会(4中総会)で、「法治の全面的な推進」を宣言した。「法治」の名のもと、反腐敗キャンペーンがさらに徹底されることが予想されていた。連日、腐敗官僚らの失脚が伝えられているが、中国のスポーツ界にも、粛清の網が広がる可能性が出てきた。
サッカー「試合の風紀破壊」
11月初め、政府組織などの腐敗を調べる共産党中央規律検査委員会監察部のウェブサイトに、「中国紀検監察報」の評論が転載された。評論は、中国サッカー界の管理の乱れを指摘。低迷が続き、サッカーファンが不満を募らせている中国サッカーへの風当たりが強まっていると主張した。
中国サッカー界の問題は、党中央規律検査委員会の特別チーム「中央巡視組」が、今年7月28日から9月3日に行った調査によって明らかになった。