中国東部、浙江省杭州市の小学校で、サッカーの授業を受ける子供たち。中国の地方政府は今、習近平国家主席の「個人的な夢」に応えるべく、サッカー熱を一段とヒートアップさせている=2015年3月18日(AP)【拡大】
この“国家プロジェクト”に敏感に反応したのが、各地方政府だ。湖北省体育局は3月中旬、今後3年間で5000万元(約10億円)を投入し、省内に550~650カ所の「サッカー学校」を設立すると発表した。江蘇省にいたっては、今後5年間でサッカー学校1000校を開設する計画という。
さらに、国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、一部の地方や学校では、体育の授業でサッカー以外の競技をやめ、サッカーに特化する動きさえ出始めているという。
国家体育総局長が警告
日本の文部科学省は、学校体育の目的について、「すべての子どもたちが、生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と、健康・安全に生きていくのに必要な身体能力、知識などを身に付けること」と定義。「体育は他の教科・科目ではできない、身体運動を通しての経験ができる教科・科目である」とうたっている。