スコットランドでは、グラームズ城やコーダー城、マクダフ城跡、スクーン宮殿、ダンシネインの丘、バーナムの森など、「マクベス」に登場する主要スポットを回り、それぞれの地で佐々木が感じたままの表情とその思いを収めている。
「シェークスピアの描いた星や月、風、雨、寒さなどを実際に見たり感じたりして、その世界観にちょっとだけ近づいたような気はします」
≪一人芝居の重責…王が抱える不安と重なる≫
京都市の造り酒屋の次男として生まれ、神戸大学農学部でバイオテクノロジーや酒米の研究をしたのち、広告代理店勤務を経て俳優に-という異色の経歴でも知られる佐々木蔵之介。
そうしたバックグラウンドの裏返しかもしれないが、俳優業に対するこだわり、プロ意識、そして責任感は非常に強い。
12日からの舞台「マクベス」では、佐々木は一人で20役をこなさなければならない。
「一人芝居は初めてなので、肉体的にも精神的にも疲労の度合いとか想像がつかないので、不安しかありません。今でも『僕、やるって言ったっけ?』とマネジャーに聞くくらいで(笑)」