「三浦くんには舞台もっとやってほしいな」「声が掛かるのであればやりたい」とほほえみ合う大竹しのぶさん(左)と三浦春馬(はるま)さん=2015年4月23日、東京都渋谷区(三尾郁恵撮影)【拡大】
米国の劇作家、テネシー・ウィリアムズの「地獄のオルフェウス」が上演され、今年デビュー40周年の大竹しのぶ(57)が主演、ストレートプレー初挑戦の三浦春馬(はるま、25)が相手役を務める。米南部で出会った男女が寄り添いながらも傷つけ合う姿を描き、ウィリアムズの「欲望という名の電車」の系譜ともいえる作品。根底にある孤独や愛、切なさといったテーマを、2人はどう描くのか。
人間はみな独りぼっち
「地獄のオルフェウス」は1957年発表。ウィリアムズが旧作を17年かけて改訂した意欲作で、過去に映画化もされた。米南部の街で、不幸な結婚生活を送る洋品雑貨店の女主人レイディ(大竹)のもとに、蛇革のジャケット姿でギターを抱えた青年ヴァル(三浦)が現れる。2人は激しい恋に落ちるが、保守的で排他的な街の因習と暴力が影を落とす。演出・フィリップ・ブリーン、翻訳・広田敦郎、共演に水川あさみ、三田和代ほか。
大竹のウィリアムズ作品への出演は、蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)演出の「欲望という名の電車」でヒロインのブランチを演じて以来13年ぶり。「オルフェウス」も同じ米南部を舞台に、閉塞(へいそく)感の中の複雑な人間関係を描いている。だが「愛と切なさ」がより迫ってくる点で、「『欲望-』とは全然違う」と大竹は言う。