【和のスタイル】
先月、『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』という漫画本を出しました。原作は2011年にヒットした『絶望名人カフカの人生論』(頭木弘樹著)です。今回、頭木さんが推薦してくださり、こんなに大きな機会をいただきました。原作を拝読し、このお仕事はカフカに憑依(ひょうい)しないと描けないと判断し、周りの方には「しばらくカフカになるけど気にしないでね」と伝えました。
カフカの小説は「朝ベッドで目覚めると虫になっていた」というびっくりするようなシーンで始まる『変身』で有名です。今回、私は突然カフカになったわけではなく、映画「ザ・フライ」の原作、ジョルジュ・ランジュラン『蠅(はえ)』のように徐々に変身していきました。まず、カフカのように繊細で敏感になりすぎSNS関係が一切できなくなりました。Facebookをはじめ、いくつかのSNSを退会しました。パーティーのお誘いもつらくなりはじめ、冬から春にかけて引きこもり漫画を描き続けました。やっと最近、カフカから抜け出すことができ、何年も会っていない友人と食事をしたりする機会が増えてきました。カフカの体験もよかったですが、やはり自分に戻れるとほっとします。