直木賞は東山さん
直木賞を射止めた東山さんは台湾生まれ。9歳で日本に移り、03年にデビュー。受賞作は、1975年の台北で大陸出身の祖父を何者かに殺された17歳の主人公が祖父の死の真相を追う青春小説。
直木賞選考委員の北方謙三さんは「欠点のない青春小説。根底から力がある20年に1度の傑作」と絶賛した。贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。
自身初の純文学作品
「ちっこい劇場での完結したネタのつもりが実は球場だった感じ(笑)。『どんなもんか読んだろ』って雰囲気が伝わる」。上半期の話題をさらった自身初の純文学作品「火花」で又吉さんは芥川賞を射止めた。
受賞作は、天才肌の先輩芸人との濃密な日々を、彼に私淑する後輩芸人の目から描く。夜通し飲み歩く先輩・後輩の独特な関係、つかみどころのない世間の反応、笑いの神髄と生きる意味…。芸人生活での実感を、ユーモラスで切ない登場人物に託してぶつけた。「世の中の流れを読んで立ち回れる人もいればそうできん人もいる。この世界で、主役って、ほんまに売れたやつだけなん?って思うんです。今の僕から見た人間を丁寧に描きたかった」