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言葉だけの完璧な楽曲 町田康 (1/4ページ)

2015.6.24 18:00

(町田康さん撮影)

(町田康さん撮影)【拡大】

  • 「光儀」(水原紫苑著/砂子屋書房、3000円+税、提供写真)
  • 「なんでもない所をどう表現するかに、作家の蓄積した技術が試されると思う」と話す、作家の町田康さん=7月26日、東京都港区(瀧誠四郎撮影)

 【本の話をしよう】

 私は読み狂人。朝から晩まで読んで読んで読みまくりたる挙げ句の果て、読みにくるひて黄泉の兇刃に倒れたる者。そんな読み狂人の私は最近、歌詞を書いている。

 なぜ書くかというと曲があるからである。曲があって節がある。ただ、歌詞がない。ならば誰かがこの空白を埋めなければならない、そこで、「こうみえてわっちは書き狂人。よござんす。わっちが書きましょう」と言って引き受けたのである。

 そいでどうだったかというと、なかなかに難しく、譜は九つあったのだけれども、まず私は譜が読めない。なので節をピアノで弾いて貰ったり歌って貰ったりして、録音を聴きながら節に言葉を当てはめていく。ところが、これがなかなか合致しない。

 こちらの都合は制限され

 例えば、言葉の方の都合では三文字で都合よく収まるのだけれども節の方の都合でどうしてもそこは四文字にしなければならない、なんてことがあって、本当は、「さんま」と書きたいのだけれども、「太刀魚」とせざるを得ないのである。

節と歌詞の板挟み

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