【本の話をしよう】
現実ってなんて酷なのだろう。
そう思ったことはないでしょうか。
私は思います。近頃わりと毎日思っています。本当にどうして現実というのはひどいのか。つらい。苦しい。悲しい。腹立たしい。なんでこうなるんだ、どうして奪っていくんだ、責任者出てこい、おまえか責任者はと、神様の胸ぐらをつかんでゆさゆさしてやりたくなる、そんなことばかり。
この嫌な現実からトンズラできたら、どんなにいいだろう。
厭世的な気分で、グーグルに「死にたい」と検索ワードを入力してみたら、いきなりこころの健康相談統一ダイヤルの案内が出てきて、ちょっとびっくりしました。
しかし「現実世界とはなぜにこんなにつらいのか」と思う裏側には、「現実世界は自分自身に喜びをもたらすもののはず」という都合のよい願望が潜んでいるとも言えます。少しでも期待があるから失望もするわけです。「現実は自分に厳しいのが当たり前、つらく苦しいのがデフォルト」と割り切ってしまえば、あれもこれも嫌で悲しいことだらけの日常こそが、通常運転なのでしょう。