「自分、異常じゃない」
大阪府寝屋川市生まれ。ドアノブをなめたり、おかしなリズムで階段をのぼったり…。中学時代、そんなとっぴな行動で周囲を笑わせ、姉に「直樹って不思議ちゃんなん?」といぶかられた。建前と本音のはざまで自分を見失いかけたとき、救いの手を差しのべてくれたのが太宰治らの文学作品だった。「本の中には変な行動するやつがいっぱいおって、自分が異常ではないと気づけたんです」
読破した本は2000冊を超え、携帯電話の待ち受け画面も太宰の写真。綾部祐二さんとのコンビ「ピース」で活躍する一方、“読書芸人”と呼ばれ、推薦文を寄せた本は部数が跳ね上がるほどの影響力を持つ。
同居する芸人仲間が寝静まる深夜から早朝にかけてパソコンに向かう。「器用じゃないけれど今まで通り芸人をやりながら…」。いまや次作が最も待たれる作家の一人だ。(海老沢類/SANKEI EXPRESS)