「ホントにキュート、このままで完璧」と岸谷(きしたに)五朗さん(左)に褒められ、照れ笑いの島袋寛子さん=2015年7月9日、東京都新宿区(荻窪佳撮影)【拡大】
森は「世界に通用する日本発のミュージカルを作りたい」とこの作品を書いた。岸谷はその魅力を「いい意味で『ベタなニューヨーク』。作詞家がストレートに書いた王道的な作品で『2人の男性の友情物語』という設定はピュアで新鮮。僕だとひねくれた方にいってしまう」と笑う。
岸谷が寺脇康文と主宰する人気演劇ユニット「地球ゴージャス」は結成から20年あまりがたつ。幅広く活動する岸谷ならではの仕掛けも垣間見える。「『このタイミングでこの楽曲が欲しかった』という構成で演劇ファンをくすぐる」と、ミュージカル通も初心者も楽しめる内容と胸を張る。
岸谷は二十数年前から、時間を作ってはニューヨークに通う。「ウエートレスも自分の本業を『女優よ』と紹介して、周囲もそれを認める街。みんなが演劇の味方という気がする。僕自身が見てきたリアルな街を表現したい」。その軸となるのが島袋の存在だ。「もともと持つ個性と役柄が掛け算になって、キュートな魅力が増していく」